犬猫などのペットを飼っているけど、アロマテラピーを楽しむためにはどのような事に注意したらいいのか?と悩む人も多くいらっしゃると思います。
- 嗅覚、皮膚における人と犬猫のちがいって?
- ペット(犬猫)に影響しやすい精油が知りたい
- 小動物への精油の使用は大丈夫?
- 精油以外の香りアイテムにもペットに気をつけよう!
- そもそもペットにアロマテラピーを施すのはOK?
本記事では、このような疑問や注意すること、安全な使い方について、解説しています。

アロマテラピーを実践していてペットがいるご家庭のかたは参考にしてみてください。
アロマの香り成分はキツイ!? 動物(犬猫)と人間の嗅覚&身体の違い


においを感じとる 部位の広さ | においを感じとる 細胞の数 | |
---|---|---|
![]() ![]() ヒト | ![]() ![]() 約500円玉1枚分 | 約500万 |
![]() ![]() ネコ | ![]() ![]() 約500円玉5~10枚 | 約6000~7000万 |
![]() ![]() イヌ | ![]() ![]() 約千円札1枚 | 約2億2000万 |
猫の嗅覚は人間の約20万倍であり、警察犬や麻薬探知犬がいるように、犬の嗅覚は人間の約100万~1億倍ほどの嗅覚があるいわれ、人間が感じる事のできないレベルの香りでもペットたちは強く反応していることが分かっています。
人間を含め、嗅覚は鼻腔にある嗅上皮(においを感じ取る部分)という器官が司り、嗅上皮にある嗅細胞から神経を介してにおいが脳に伝えられる嗅覚のメカニズムは、犬猫も人間も同じですが、犬猫と人間を比べると嗅上皮の面積と嗅細胞の数が大きく異なります。
また、犬や猫の皮膚は人間と比べると表皮が薄く、想像以上に弱くて非常にデリケートなため、少しの事で反応してしまいます。


さらに、同種類の香りに対して全く問題のない子もいれば、同じ種類でも少しの違いで反応する子がいるなどの個体差は大きく、犬や猫という大きなカテゴリーではなく、ペットを飼っている方は「うちの子」として考える事が重要。
ペットがいる環境で精油を扱うときは?
ペットがいる環境で精油を扱うときは室外にペットを出したり、別の部屋に移動させ、精油を扱う場所ではしっかり換気を行いましょう。
ペットのいる環境で精油の使用量は?
ペットのいる環境下での精油の使用量は、目安としてレシピの3分の1程度の量にし、香るか香らないか程度から始めてください。
小動物への精油の使用は?


また、小鳥やハムスター、ウサギ、爬虫類など、エキゾチックという総称で呼ばれる小動物たちは、毒物や薬物の代謝が非常に弱く、
ささいなことで命を落とす危険があるため、消臭スプレーなども含め、精油の使用は全面的にNGとなることが多いです。
犬や猫の体調に影響しやすいなど、特に気をつけたいアロマ精油
犬とアロマテラピー


まずは犬の場合ですが、代謝しにくい成分でも速やかに生体外へと排出されていることが研究でも明らかになっているため、使い方を間違えず正しい知識をもって注意を払えばアロマセラピーを楽しむことも可能です。
猫とアロマテラピー


しかし、ネコ科の動物は薬などの代謝経路と速度が犬とは異なり、代謝しにくい成分は体内に残って中毒を起こ す可能性が高くなります。
そのため、精油を部屋に香らせた場合、微量ながら空気中に漂う成分が呼吸器から取り込まれて血流に乗って全身を巡ります。
もしもその成分が排出されにくく、少しずつ蓄積していくのであれば、長年の後に健康に問題が出る可能性があるかもしれません。
そのため、犬猫を飼っている方は、精油の種類、取り扱い方に注意するようにしましょう。
以下、参考にしてください。


犬に使用してはいけない精油
- クローブ、オレガノ
-
肝機能障害を引き起こす危険性があります。
- 柑橘類
-
グレープフルーツやレモンなどのかんきつ類には光毒性があり、嘔吐やめまいを誘因することもあります。


猫に使用してはいけない精油
- フェノール類を多く含む精油
-
ミルラ、パチュリ、 クローブ、タイムホワイト、シナモンリーフ
- ケトン類を含む精油
-
ペパーミント、ローズマリー・カンファー
- リモネンを多く含む精油
-
レモン、ベルガモット、 スイートオレンジ、グレープフルーツ、ブラックペッパー
- ピネンを多く含む精油
-
サイプレス、ユーカリ、 ジュニパーベリー、フランキンセンス、パイン
フェノール類、 ケトン類、 リモネン、ピネンの4種が含まれている精油は、 猫に対する毒性が特に高くなります。
上記のアロマに限らず、ペットのいる環境下では精油の取り扱いに注意が必要です。
精油以外の香りアイテムで気をつけたいものは?


香るものは、精油だけでなく、洗濯に使う柔軟仕上げ剤や香水、 ルームフレグランスなどもペットがいるご家庭では気をつけたいもの。
つぎのような行動が目立つ時は、自分らしくない香りを取ろうとしている証拠でもあります。
いつもと違うペットのしぐさ
- ペットがシャンプー後にやたらと身体を舐める
- クッションやソファに身体をこすりつける
- 落ち着きなく歩き回る
異変を感じたらすぐに使用を中止し、精油に限らずフレグランス類は香りの弱いものに替えましょう。
また、以外と思われるかもしれませんが、ペット用品にも注意が必要な成分が含まれていることもあります。
香りつきのノミ取り首輪も注意が必要?!


診察のために猫が運び込まれた際には瞳孔が開き、 よだれを垂らしていたのが、首輪を外すことで回復した例もあります。
私たち人間が気にしない程度の香りであっても犬猫は過敏に反応してしまうことがあるのです。
他には、お香類も、香りの強いものは避けたほうが無難です。
ペットにアロマテラピーを施しても大丈夫?


ペットへのアロマテラピーは、猫などの小動物には積極的に使わないのが鉄則ですが、犬は別。
犬へのアロマテラピーは正しい知識があり、使用方法によってはリラックス効果が期待できますが、個体差が大きいので、同じ犬種であっても一概に問題がないとは言えません。
アロマEpisode
椎間板ヘルニアのある犬の飼い主の方が、「何か薬以外で私にできることはないでしょうか?」 と言われた際、「ラベンダー精油を数滴垂らしたお湯にタオルを浸して絞り、精油がついた面を内側に畳んでから背骨の辺りに当てるように」とお伝えし、その子にはそれが合っていたのか、よく眠るようになったという例もあります。
まだまだ、アロマの知識がある獣医さんは少ないかもしれません。
診てもらう獣医師の経歴なども参考にし、アロマに知識があるお医者さんに相談して濃度や使い方を守り、しっかりと様子を見ていただければ、そういう温湿布のような使い方も可能と考えられます。



精油ではなく、フローラルウォーターを使うのもありですね。
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動物が精油などを誤飲してしまったときの対処法はたった1つ


もし誤飲してしまったら、自己判断で水や牛乳を飲ませるようなことはせず、すぐに病院に電話して事態を説明し、一刻も早く通院してください。
飲み込んだものが胃の中にある段階で起きる被害は胃粘膜が荒れる程度ですが、時間が経って吸収され始めると、また違った症状が出てくることがあります。
たとえば嘔吐であったり、最悪の場合には神経に影響が出ることもあるので、特に症状がなくても必ず診察を受けるようにましょう。


その際、誤飲したものがわかる場合は必ず持参することと、何をどの程度飲んでしまったのか、なるべく詳しく医師に伝えるようにしてください。
飼い主がアロマテラピーを楽しむことで ペットに与えるメリット


これは考えればすぐ分かるように、飼い主の精神状態はペットに大きな影響を与えます。
飼い主が精神的に安定していたらペットの様子も落ち着いたといったケースはたくさんあるため、精油を扱ったあとにペットを触る等、必ず手を洗うというような基本を徹底すれば、
さほど神経質にならず、アロマテラピーを楽めるかと思います。


自分の心身を安定させ、一緒に過ごす「うちの子」たちと幸せな日々を過ごしていきましょう。
人間にはよい効果があっても、動物にとっては命に かかわる植物もあります。
特に猫と小動物には注意が必要です。
精油に限らず、植物に関しても危険が どうかを判断したい場合は、以下のようなサイトを 参考にするのもよいでしょう。
参考サイト
日本中毒情報センター
引用:AEAJ機関情報誌
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