アロマテラピーは心身に様々な効果をもたらす自然療法として人気は高まっていますが、植物から抽出した天然成分である精油でもアレルギー反応や成分刺激によって肌に炎症を起こさせる可能性があります。
そこで今回は、アロマテラピーを楽しむために必須の「パッチテスト」について、その重要な理由、精油を用いた具体的なやり方などに加え、
「なぜ二の腕なのか?」「なぜ48時間なのか?」などのよくある疑問を解決できるQ&Aも書いています。
- アロマテラピーにおけるパッチテストとは?
- パッチテストが重要な理由とやり方
- パッチテストにまつわるQ&A
安心、安全にアロマテラピーを行いたい方や、パッチテストの重要性やアロマ精油を用いた具体的なパッチテストの方法を知りたい人はぜひ参考にしてみてください。
アロマテラピーでよく言われるパッチテストってなに?
パッチテストとは、アレルギー性接触皮膚炎や薬疹の診断に有用な検査法で、
- 即時型アレルギー「じんましんがでる」
- 遅延型アレルギー「接触皮膚炎(かぶれ)がでる」
これら症状の診断に用いられる検査方法のひとつです。
アロマテラピーでは、花粉症などでよく悩まされるイネ科やスギ科などの植物から採れる精油もあり、それ以外にもそれぞれに強い刺激をもつ成分が含まれできることもあるので、
パッチテストは皮膚刺激やアレルギーの引き金になる成分や商品を見分けるために重要なテストとなります。
アロマに限らず、ヘアカラーなどでもパッチテストを行う必要性があるのはみなさんご存知かと思います。
アロマテラピーでは必須!? パッチテストの重要性と必要性
精油を肌へ使用する前は、必ず事前にパッチテストを行うことを推奨します。
精油やキャリアオイルともに言えることですが、肌が弱くて精油の刺激に耐えられない人や、体質によってはアレルギー反応を起こしてしまうことで、刺激炎症による赤みやかぶれ、発疹などの皮膚疾患が現れてしまうことがあります。
美肌のために化粧水や保湿クリームなどを作って、それを顔に塗って発疹がでたら、、、なんて考えただけで恐ろしいですよね?
それを回避するためのテストでもあるので、アロマテラピーをするならパッチテストは重要です。
アロマ精油を使用したパッチテストで分かる事
アロマ精油を用いたパッチテストで分かることを簡単に解説していきます。
アレルギー反応の確認
アロマ精油は、天然の植物から抽出した有機化合物の集まりで、植物の成分が濃縮したものから成り、キク科やシソ科、スギ科やイネ科など様々な植物から採れたエッセンスです。
花粉症の人なら分かると思いますが、スギ科やヒノキ科、イネ科などの植物によってアレルギー反応が出ることがあり、
スギ科のサイプレス精油やヒノキ科のジュニパー精油、イネ科のパルマローザやレモングラスなどが、人によっては合わないという可能性もあります。
そういったアレルギー反応を見分ける事ができるので、パッチテストは、自分に合うアロマ精油を見分ける立派な検査方法となります。
皮膚刺激の確認
アロマ精油は天然成分と言えど、クローブ精油に含まれるオイゲノールや、タイムチモール精油に含まれるチモールなどのフェノール類は、皮膚への刺激が強い成分です。
そのため、刺激の強い成分で皮膚炎症を起こしてしまうこともあるので、皮膚刺激への1次反応として、それらがパッチテストで自分の身体に合うか合わないかを見分ける事もできます。
わたしも、アロマトリートメントでキャリアオイルが合わずに痒みや発疹のようなブツブツが発症した経験があるので、1次反応〜1.5次反応(2〜24時間)だけでもいいから、パッチテストは必ずやってほしいと思います。
アロマ精油を使ったパッチテストの具体的なやり方
精油を使ったパッチテストのやり方
キャリアオイルで希釈したブレンドオイルを上腕部(二の腕)の内側に塗り、そのまま2時間〜2日間(48時間)ほど様子を見ます。
テストしたい精油を1〜2%濃度になるようにキャリアオイルに混ぜてブレンドオイルを作る。
キャリアオイル | 精油濃度1% | 精油濃度2% |
---|---|---|
5ml | 1滴 | 2滴 |
10ml | 2滴 | 4滴 |
ブレンドしたオイルを二の腕の内側に、1円玉くらいの大きさで塗布し自然乾燥させる。
特定の時間(2〜48時間)まで通気性を良くして結果を待つ。
検査部位を水でぬらさない、検査部位に絆創膏やシールを貼ったりしない、検査部位をこすらない、ようにすることが大切。
大変ですが、パッチテストでチェックしながら、安全に使える自分に合った精油を使うようにしましょう。
もし自分でやるのが不安な場合は、使いたい精油を皮膚科に持参し、パッチテストを依頼するのも確実な方法です。
【Q&A】パッチテストに関する疑問と解決方法
ここからは、パッチテストを行ううえで疑問に思ってしまうことをQ&A形式で簡潔に書いていきますので、パッチテストをする際の参考にしてみてください。
パッチテストの結果が48時間(2日間)後の理由
よくある質問で、パッチテストを実施した後、1時間でもなく、1日でもなく、なぜ2日間(48時間)もの長い時間待つ必要があるのか?
これについてですが、アレルギーや刺激反応の多くが1次反応として1時間前後以内(数分〜2時間くらい)に現れることが多いものの、
2次反応の「遅延型アレルギー」といって、反応が遅い場合は2日ほどかかることがあるためです。
そのため、パッチテストをしてから少なくても24時間、できれば48時間経過してからのほうがベストなのです。
とはいえ…
パッチテストで48時間も無理…
今までお伝えしてきたように、パッチテストした部分は絆創膏などは禁止でそのままにしておくことが必須なので、48時間も濡らさないよう(通気性が良くて乾燥させておいたまま)にするのが難しいこともあります。
わたしは面倒くさがりなので、現実的ではない”自己責任での判断“としてではありますが、
長時間使用する(塗布してから洗い流さず長時間経過するような使い方の)アロマ精油やキャリアオイル以外は、約2時間〜16時間程度の間に何も反応がなければ(少なくても刺激による1次反応はないため)軽く使ってみたりします。
あくまで自己責任ですし、わたしは面倒くさがりなのでマネするのはオススメしませんが…
何故!? パッチテストを二の腕でやる理由
パッチテストを二の腕で実施する理由についてはですが、
皮膚は全身を覆われているものの、皮膚は部位によって厚みが違い、二の腕は顔と同じく皮膚が薄いうえに目立たない部位のため、パッチテストでの効果を検証しやすい理由が挙げられます。
顔と同じように皮膚が薄くて目立たない部分なので、二の腕の内側がオススメなのです。
パッチテストで使いたい精油が自分に合わなかった時の対策
パッチテストの実施でもし皮膚にかゆみや発疹が出た場合は、精油かキャリアオイルのどちらかにアレルギー反応していると考えられます。
なので、アレルギーの原因物質を突き止めるためにも次は精油なしのキャリアオイル単独でパッチテストを行ってください。
そこでもし異常がなければ、精油にアレルギーがあると考えられます。
そのため、もしパッチテストで合わない精油があれは、同様の効果を持つ精油に置き換えて使うようにしましょう。
特定の精油にアレルギーがあっても、精油の中には同様の薬効を持つものが必ずあるかもしれませんので、もしそれが分からなくて不安でしたらご連絡ください。できる範囲ではありますが、お答えするようにします。
パッチテストで皮膚に赤みや痒みが現れた時の対処法
パッチテストの結果、皮膚に赤みやかゆみ、腫れが現れた場合は、すぐに無香料のせっけんでよく洗い流し、タオルで拭いてから空気にさらして乾燥させましょう。
また、精油にアレルギーがあった場合、その精油はマッサージだけでなく芳香浴にも使用しないでください。
何の成分がアレルギーになっているのかが分かりにくいので、芳香浴でもオススメはしません。
同様の効果や香りが見込める代わりの精油を探しましょう。
まとめ
アロマテラピーを行ううえでパッチテストは重要です。
何の精油が合わないか?何のキャリアオイルが合わないか?何で皮膚炎症が起きるのか?自分には何の精油が合うのか?
などなど…
それらをある程度見分ける事ができるテスト方法なので、面倒くさいところもありますが、
敏感肌の人や刺激成分の強いアロマオイルを使いたい人、過去にアレルギー症状に悩まされた人や皮膚刺激によって炎症が起きた経験がある人など、
アロマテラピーを安全に行っていくうえでは必要なテスト方法がパッチテストなので、
今回ご紹介したパッチテストを試して、自分に合う精油やアロマ基材を見つけ安全にアロマテラピーを行っていきましょう。
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