“ラベンダーの精油が不眠に良い”と聞いたのに、全く効かないのはなぜか?
それは、扱っている精油の品質も関与しいているかもしれません。
メディカルアロマテラピーの先進国であるフランスやベルギーでは、精油にも薬と同様の厳しい品質基準を設けられています。
そんな中、日本ではアロマの取り扱いがまだまだ香料や雑貨の類として扱われ、メディカルアロマテラピーに使える良質な精油は国内の市場に出回っている全製品のわずか5%にすぎないともいわれています。
いろんなアロマブランドの精油があって品質も様々ありますよね。
だからこそ、
メディカルグレードのような良質な精油を選ぶための知識は安全にアロマテラピーを行っていくうえで必要ですし、
アロマの効果を最大限に引き出してくれる重要な要素になります。
そのため、今回はメディカルグレードの良質な精油を選ぶ6つの基準と、選ぶべき理由に加え、プロがオススメするブランドを3つほどお伝えしていきます。
ぜひ今回の記事を参考にしてもらえたら幸いです。
- 希釈したオイルの塗布を頻繁に行う
- アロマテラピーで心身の不調や機能改善したい
- メディカルグレードの高品質なアロマオイルを知りたい、使ってみたい
良質の精油を選ばなければ逆効果!?
日本でもアロマテラピーの有用性が明らかになりつつ、メディカルアロマテラピーの知識が浸透し、医療現場では基準をクリアした精油が用いられています。
しかし、
家庭やリラクゼーションサロンなども含めた一般のアロマ市場全体を見渡すと、消費者が安全にアロマテラピーを行える環境はまだまだじゅうぶんではありません。
冒頭でもお伝えしたように、
精油にも薬などと同様の厳しい品質基準を設けられているフランスやベルギーとは違い、日本では精油が香料や雑貨の類として扱われているため、
品質基準はないに等しい状態で、厳しい品質基準をクリアしたものとそうでないものとの玉石混交というのが日本のアロマテラピーの現状です。
粗悪な精油を使ってしまえば、化学物質や農薬が体内に吸収されてしまったり、皮膚トラブルが発症してしまう可能性もあるので、それを考えたら恐ろしいですよね。
皮膚トラブルがあるのに、日本では雑貨扱い、、、
食品扱いのサプリ同様、日本はザルですね。。。
それこそ、
安価で手に入るアロマオイルを使用することで発症した皮膚障害のトラブルは年々増加傾向にあるといわれ、
国民生活センターにも精油が原因と思われる接触性皮膚炎などの被害報告がふえ続けているとも言われています。
そのため、アロマテラピーを安全かつ効果的に行うためには、良質な精油を選ぶ目を養うことがとても重要です。
良い悪いだけじゃない!精油を選ぶ際は、構成成分の含有量を見るのが重要
メディカルグレードのような良質な精油を選ぶ際にポイントになるのは、「品質のよしあし」に加えて、「構成成分の含有量」を見るのも重要です。
精油の構成成分によって効果が全然違う
ラベンダーが不眠にいいと聞いて使ったものの、全く効果がなかった…
なんていう話があります。
これは、本物のラベンダーを使用していなかったためであることも1つの理由に挙げられます。
様々な種類のラベンダー
- 真正ラベンダー
- スパイクラベンダー
- ラバンジン
- ストエカスラベンダー etc.
しかし、数ある中のラベンダーで鎮静効果をもたらすのは、「真正ラベンダー」と呼ばれるものです。
真正ラベンダーは、植物学上の名前を「Lavandula angustifolia」といい、高度500~1000m以上の高地に自生している植物からとれる精油。
ラベンダーの主要成分には、酢酸リナリル、リナロールなどが主成分としてありますが、この中で鎮静効果をもたらすのは、主にエステル類に属する「酢酸リナリル」なのです。
そして、鎮静効果を得るには、その酢酸リナリルを35%以上含んだラベンダーでないといけません。
ところが、植物学名を「Lavandulax intermedia」または「Lavandula hybrida」という、正式には「ラバンジン」と呼ぶべき精油をラベンダーだと思って手にする人も数多くいます。
ラバンジンと真正ラベンダーの成分分析表を見れば一目瞭然ですが、
ラバンジンは真正ラベンダーに比べて酢酸リナリルの含有量が少ないことがわかりますし、同じ真正ラベンダーでも、メーカーによっても成分の含有量に差があります。
家庭でアロマセラピーを行う場合も、精油を医薬品と同じものと考え、構成成分を見て良質な精油を選ぶ知識を持ちましょう。
というわけで、
例を挙げながら分かりやすくもお伝えしているので、以下に挙げるチェックポイントに沿って精油を選んでください。
メディカルグレードの良質な精油を選ぶ基準ポイント⑥選
良質な精油を選ぶチェックポイントは、つぎの6項目です。
良質な精油を選ぶ6つの基準
- 植物名が学名で明記され、特徴となる成分、産出国も表示されていること
- 100%天然であること
- 原料のハーブは有機農法栽培であること
- 原料ハーブの抽出部分が明記されていること
- 生産国でびん詰めされたもの
- すべての含有成分、成分分析データが開示されること
この6つの基準を例に挙げて、深く掘り下げながらお伝えしたあと、私がオススメするアロマブランドについてもご紹介します。
①植物名が学名で明記され、特徴となる成分や産出国が表示されていること
まず重要として挙げられるのが、学名や特徴成分、産出国が表記されていること。
なぜなら、
精油の原料となる植物は、栽培する土壌や気候、さらには産地などによっても含有成分が変わってくるため、
精油に含まれている成分が違えば香りや薬効も違って心身への用途も異なってくるからです。
そのため、その違いを見分けるためにも、産出国や特徴成分、学名の表記は必ずチェックしましょう。
学名を見ることによって、以下のような違いも分かってきます。
同じ種でも含有成分によって薬効が異なる「ケモタイプ」
精油は同じ種からとれるものでも、含有成分によって薬効が異なる「ケモタイプ」と呼ばれる精油があり、
ケモタイプの代表的な精油には「タイム」「ニアウリ」「バジル」「ローズマリー」などがあります。
以前書いたローズマリーの記事(上記↑)でも軽く触れましたが、ローズマリーの場合はケトン類のカンファーを主成分とする「ローズマリー・カンファー」や、
オキサイド類の1,8シネオールを主成分とする「ローズマリー・シネオール」があり、
それぞれの香りや薬効も異なってくるため、一口に同じローズマリーと言っても使用用途が変わってきます。
- ローズマリー・シネオールの学名は、
-
「Rosmarinus officinalis CT Cineole」
- ローズマリー・カンファーの学名は、
-
「Rosmarinus officinalis CT Canpher」
- ローズマリー・ベルベノンの学名は、
-
「Rosmarinus officinalis CT Verbenone」
上記のように、同じローズマリーでも学名を最後まで読めば違うことが分かるかと思います。
商品名にローズマリーとだけ記載されているものより、学名でローズマリーの何なのか?まで、
詳細に記載されているものを選びましょう◎
種の違いによっても含有成分や薬効が変わる
また、ケモタイプ(種が同じ)ではなくても、似たような植物でも種の違いによって含有成分や薬効が変わります。
その代表がユーカリで、
- ユーカリ・ラディアータ
- ユーカリ・グロブルス
- ユーカリ・シトリオドラ (レモンユーカリ) など
同じユーカリでも種の違いでさまざまな種類があります。
ですから、ローズマリーと同じように、精油を購入するときは単にユーカリというのではなく、「ユーカリ・グロブルス」というように、フルネームを告げる必要があります。
- ユーカリ・グロブルスの学名は、
-
「Eucalyptus globulus」
- ユーカリ・ラディアタの学名は、
-
「Eucalyptus radiata」
- ユーカリ・シトリオドラの学名は、
-
「Eucalyptus citriodora」
このように、ケモタイプではなくても、学名によって違いがありますので、精油を選ぶ際には学名をしっかりチェックしておきましょう。
ちなみに、学名はローマ字読みで読めますが、慣れないうちは精油の学名をメモ書きにしておきましょう。
②アロマ精油は100%天然であること
精油は、数十から数百種の成分が含まれている有機化合物の集まりで、
成分の中には毒性をもつ成分もあるものの、ほかの成分がその毒性を中和したり、緩和したりして調和をとっています。
しかし、ある種の精油では、皮膚刺激を少なくし、成分が酸化しにくく精油を長持ちさせるためにモノテルペン炭化水素類が抜かれていることがあります。
そのため、一見使い勝手がよくなったように思えますが、一方では空気中に拡散して殺菌作用をもたらす大切な効果を失ってしまうこともあります。
また、成分を抜くと香りも変わるので、それを調整するために業者が香料を添加している可能性も出てくるため、精油はいっさい加工しない100%天然のものを使用することが望ましいです。
それらを見分ける方法としては、
やはり、原産国や学名が表記されていることに加え、後述する抽出部位や抽出方法が明確であることと、成分分析表が添付されていることです。
詳しい説明を後述しているものもありますが、「原産国」「学名」「抽出部位」「抽出方法」「成分分析データ」を明確に表記していることが必須で、これらを読み取って良質な精油を見分けるのです。
③原料のハーブは有機農法栽培であること
精油は香りを嗅ぐだけではなく、
アロマテラピーとしてトリートメントやマッサージで直接皮膚に塗布したり、医師の指導のもとに内服をすることもあるようです。(筆者はまだ内服未経験です)
そのため、原料となるハーブは、農薬や化学肥料が使われていない無農薬有機農法栽培された植物から抽出された精油が、良質な精油ということになります。
精油成分は分子量が小さくて皮膚から吸収しやすいので、皮膚に直接使うトリートメントやアロママッサージなどでは、無農薬の有機農法栽培の精油がいいって、なんとなく思っちゃいますよね。
なので、アロママッサージを実施しているサロンやスクールなどでどんなブランドの精油を主に扱っているか?で、そのサロンの想いが見えてくるかもしれません…。
④原料ハーブの抽出部分が明記されていること
アロマテラピーの精油がとれる植物は、
花や茎、葉、樹脂や樹皮など、植物の抽出部位によって含まれる成分は異なり、それによってアロマテラピーとしての使用用途も異なってきます。
ビターオレンジを例にあげるなら…
- ・葉から抽出 【プチグレン】
-
ビターオレンジの葉から抽出されたものはプチグレンと呼ばれ、プチグレンに多く含まれるエステル類の酢酸リナリルは、鎮静作用や抗けいれん作用があります。
- ・花から抽出 【ネロリ】
-
ビターオレンジの花から抽出されたものはネロリと呼ばれる精油で、 モノテルペンアルコール類やセスキテルペンアルコール類に属する成分を多く含んでいます。
これらの成分は、主に精神力の増強や、精神の安定作用、女性ホルモン様作用をもっています。
- ・果実の皮から抽出 【ビターオレンジ】
-
果皮から抽出されたものはビターオレンジと呼ばれ、モノテルペン炭化水素類のリモネンを多く含み、殺菌作用や鎮静作用に優れています。
以上のように、
同じ植物でも抽出部位によって内容成分が大きく異なり、成分によって心身への効果も変わってくるため、アロマテラピーとしての使用用途違うのではないでしょうか?
薬効や使用目的を知るうえでも、
植物のどの部分から抽出されているかも精油を選ぶ重要なポイントになるので、良質な精油を選ぶ際には抽出部位や抽出方法の記載もしっかりチェックしておきましょう。
⑤生産国でびん詰めされたもの
精油は植物かれ抽出したもので、食品と同じように空気や光、熱に触れると性質が変化します。
そのため、蒸留直後に輸出国でビン詰めされたものよりも、大ビンで輸入したものを日本でビン詰めしたものは空気に触れる機会が多くなり、成分が変質しやすくなります。
そのため、できるだけ生産国でビン詰めされた精油を選ぶようにしましょう。
原産国でそのまま小瓶に抽出したものではなく、それをわざわざ大ビンに移してから小瓶に移すのは、1つの過程を2つの過程にしている分だけ空気に触れる機会が多くなるということです。
⑥すべての含有成分、成分分析データが開示されること
精油は、ロット番号ごとに精油の成分名を表示するだけではなく、
業者は成分の比重や屈折率(合成物の有無) などの成分分析データや製造年月日についても開示する用意がなくてはなりません。
そのため、良質な精油を選ぶのであれば、ロット番号ごとの成分分析データが開示されているものを選びましょう。
精油を購入した際に成分分析表がついているものが安心ですね。購入前なら、ホームページに成分分析データの記載があるので、チェックしてみてください。
メディカルグレードの良質な精油を扱う「オススメブランド③選」
ここまでお伝えしてきましたが、
以上に挙げた基準を満たす精油としては、フランスのオーガニック認証団体、エコサートの認証を取得している「ラドローム」社や、
フランスの薬局でも販売されている「ル・コントワールアロマ」社の精油、
そして、著名な薬剤師であり、アロマトロジストであったドミニク・ボドゥーさんが設立した、筆者もオススメするベルギーの「プラナロム」社などがあります。
また、「フローラム」社の精油もオススメです。
ただし、フローラム社の精油はAmazonなどでの購入がしにくいため、品質の良さと購入のしやすさを考慮するなら、
プラナロム社の精油が個人的には一番オススメです。
わたしも、プラナロムの精油が一番多く、メインに扱っています。
プラナロムやフローラム社、ラドローム社などのメディカルグレードの精油ですと、
生活の木やインセントなどと比べてお値段的にはやや高くなりがちですが、実際に使ってみるとビックリするレベルで違いに驚くと思います。
実際、プラナロムの精油を店頭で香るだけでは分からないのですが、使ってるみると香りに深みがあって驚くほどの違いに気付きます。
昔、メディカルグレードの精油を興味本位で買って、勢いで高い精油買ってしまったなぁって一瞬後悔したものの、実際に使ったら納得したのを今でも覚えています。
ちなみに、インセントの精油についての感想は下記の通り。
以上、良質な精油を選ぶ基準、選ぶ6つのポイントについてお伝えしてきました。
良質な精油を選ぶ6つの基準 おさらい
- 植物名が学名で明記され、特徴となる成分、産出国も表示されていること
- 100%天然であること
- 原料のハーブは有機農法栽培であること
- 原料ハーブの抽出部分が明記されていること
- 生産国でびん詰めされたもの
- すべての含有成分、成分分析データが開示されること
こちらの記事を見て、素敵なアロマライフを送ってもらえれば幸いです。
わたしはプラナロム社の精油を初めて購入したのは下記のローズウッド(木部)でした、他社との違いに驚いたので、まだ使ったことがない人は使ってみるのを強く強く強く!オススメします。まるで香水のような深みがあります。
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