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様々な施設での高齢者ケアにおけるアロマテラピーの活用

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実際の高齢者ケアでは、アロマテラピーをどのように実践しているのか?

アロマセラピストや歯科衛生士による、高齢者施設でのアロマ活用事例。

目次

施設でのアロマトリートメントで高齢者の不安を取り除き笑顔に

20年以上も前から首都圏の施設や医療機関を中心に出張トリートメントを実施しているアロマセラピストは、

施設での施術前に高血圧や糖尿病、認知症などの有無を事前にヒアリングし、施術を受ける方の健康状態を考慮したうえで数種類の精油を選択してもらい、

健康上の問題がない方には好きな香りを選んでもらい、ひじ下か膝下にトリートメントを行っていました。

施術を受ける高齢者が「何をするんだろう?」と不安がっているところ、「みかんの香りは好きですか?」などと優しく話しかけながら、日本人になじみ深いオレンジ・スイート精油を嗅いでもらうことで「いい香りだね」と安心してもらっていました。

施術後は一時的ではあるものの、トリートメント効果によってむくみや冷えの軽減が多く見られ、継続することで高齢者に大きな変化をもたらしました。

緊張がとれて自らコミュニケーションをとるようになった

いつも眉間にシワが寄るほど緊張が強かった90歳の女性は、初回の時は触られるのを嫌がる様子が見られためのの、2ヵ月間トリートメントを継続したところ、

少しずつ表情が穏やかになり、1年半後には「そのメガネ素敵ね。どこで買ったの?」などと自らコミュニケー ションを取るまでになったそう。

また、環境変化に伴って孤独を感じていた80歳過ぎの男性は、トリートメントを続けるうちに肌がつややかになり乾燥トラブルが減少。

表情もやわらいで目に力が入るようになり、本人からも「夜は熟睡できるようになった」と喜ばれたそう。

施設勤務中のスタッフにも良い効果が

また、施設で勤務するスタッフや理学療法士からは 、「施術後にリラックスされる方が多く、日常業務が楽になる」 「身体のこわばりが取れやすく、リハビリを進めやすい」という声もあり、

トリートメントの好影響は施術を受ける高齢者のみならず、スタッフたちなど周囲にも及んでいたそう。

こうしたアロマテラピーの有用性は、香りとタッチングに加え、たくさん会話をすることで生まれると考えられます。

とくに、長年の経験による過度な緊張を抱えた高齢者と向き合うための有効な手段としてアロマトリートメントは最適であり、トリートメントに理解を示して導入を検討する医療機関や施設も増えているそうです。

施設から見たアロマテラピー導入のメリット

東京都にある介護付き有料老人ホームでは2010年頃よりアロマテラピーを導入。

きっかけは他ホームからの紹介で、まずはトリートメントの無料体験を行い、アロマテラピーに触れてもらうことから始めましたが、本来は有料で費用がかかることを入居者に理解してもらうまでが一苦労だった そう。

それでも、施術を受けた方の表情がとても穏やかになって、回を重ねるうちに会話が増えてきたり、香りでスタッフも癒やされて施設全体の雰囲気が良くなったりしたのを見て継続を決定。

今では心待ちにする入居者も多く、ホーム内の話題づくりに欠かせないイベントとなったそうです。

アロマ精油の香りで患者の意識を向け、診療をスムーズに

アロマを活用している施設は介護施設だけではなく、医療機関もあり、全国で歯科訪問診療を行っている歯科衛生士も高齢者の診療に香りを活用しています。

歯の診療は口を開けてもらわないと進められず、意識の覚醒が重要なため、

そこで、ブラックペッパーとベルガモット、ペパーミントとレモンなどの精油をブレンドして作ったスプレーを用意し、

エプロンにひと吹きして歯科診療に臨むと、寝たきりの方が目を開けたり、ぼーっとしていた認知症の患者が香りがする方向を見回したりと、即座に反応を示すことが多いそう。

興奮が強い方には鎮静作用のあるラベンダーのスプレーなど、状態によって使い分けている。

また、以前紹介したブラックペッパーの香りには嚥下反射の誘発のほかにも、 唾液の分泌促進作用もあるため食欲増進にも役立つのだそうです。

独自のアロマ認定資格の取得を施設全体で推進

熊本市には医療・福祉を連携させた10施設すべてにおいてアロマテラピーを導入している医療法人があり、

10施設の中核である病院の看護部が中心となり、平成16年よりアロマプロジェクトを開始しています。

平成19年度からはAEAJの教育内容をベースにした独自のアロマ認定資格制度を設け、看護師にとどまらず、薬剤師、介護士、事務員など多職種で資格を取得。

各職場の特徴に合わせた芳香浴を実施

病院の受付や事務室では気持ちを明るくするオレンジ・スイート精油をディフューザーやアロマライトで香らせ外来患者にも好評。

また、一般病棟の大部屋では、急な入院による気持ちの落ち込みなどをやわらげる目的で、ベルガモット精油を数滴垂らしたぺーパーフラワーを設置し、

回復期のリハビリ病棟では、リハビリに集中できるようペパーミント精油を使用しているそう。

手浴や足浴も定期的に実施し、脳梗塞を患った70歳代の男性は2カ月間ほぼ毎日ティートリ 一精油を使って足浴を行ったところ「無口な父が、ここまでにこやかに話すようになるとは」 と家族が驚いたケースも。

そのほか、施設内でルームスプレーやバスボム作りなどのアロマ教室を開催し、香りの幅広い活用法を啓蒙しています。

アロマ精油の香りがスタッフと患者間での話題づくりにひと役買っているのはもちろん、夜勤を担当する看護師から「精油の香りがする部屋に入ると疲れが取れる」 という声も聞かれ、仕事に対するモチベーションの維持にも役立っています。

こうした活動を踏まえながら、将来的には認知症予防などの補完代替医療としてのアロマテラピー活用を目指しています。

引用:AEAJ機関情報誌

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この記事を書いた人

関西で活動中のアロマテラピー&ヨガ&ピラティスインストラクター兼セラピスト
各種資格↓
・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター
・全米ヨガアライアンス認定資格RYT200
・FTPマットピラティスインストラクター
・JAMHA認定メディカルハーブコーディネーター
・タイ政府認定校CCAタイ古式マッサージ資格
etc…
人体解剖実習も経験済み
2023年JMC日本マッサージ選手権タイ古式部門で
4位獲得

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