ティートリーは昔から天然の殺菌剤と考えられています。
アロマセラピー学会誌に 「ティートリーの抗菌作用」の論文がありました。
今日は、こちらをご紹介したいとおもいます。
==================
ティートリーについて
==================☆
ティートリーはニュージーランド、オーストラリアに分布するフトモモ科の
・メラレウカ属(Melaleuca L.コバノブラッシノキ属)
・レプトスペルム属(LeptopspermumJ.R.Forst ネズモドキ属)
上記2つの近縁の属に使われる呼び名です。
もともとはキャプテン・クックが航海にレプトスペルム属を
「Tea Tree」と名づけて飲用したことが始まりだそうです。
私たちが、一般的に精油として使用するのは、メラレウカ属の Melaleuca altemifolia です。
ニュージーランドではレプトスペルム属をハーブティーとして使うようです。
ハーブティーに使うことは知りませんでした。あたらしい発見です。
昔からティートリーは天然の殺菌剤として認識されていました。
1930年には、Humphreyという人が、ティートリーを配合した石鹸は、チフス菌に対する作用が
他の殺菌剤に比べて6倍早いと報告しています。
====================
ティートリーの抗菌作用
===================☆
【 甲田雅一:ティートリーの抗菌作用,
日本アロマセラピー学会誌,4:22-27,2005 】
ティートリーは副作用が少なく、安全な精油であるため、アロマセラピーが多用されます。
多くの成分を含有していますが、抗微生物作用があるのは
・テルピネン4オール
・パラシメン
・αーテルピネン
・αーピネン
・1,8シネオールである。
(ちなみに(オーストラリアでは品質管理上、
テルピネン4オールが30%以上、1,8シネオールが15%未満と規定されています)
今回は最小発育阻止濃度(MIC法)を調べて、抗菌スペクトルを検査しています。
精油の濃度0.5%で菌の発育を阻止したもの ◎
精油の濃度0.5~1%で菌の発育を阻止したもの ○
精油の濃度1~5% で菌の発育を阻止したもの △
精油の濃度5%以上を要したもの ×
大腸菌 ○
緑膿菌 ◎
MRSA ○
カンジダ ◎
詳しくは省きますが、非常に広範囲に抗菌作用を示します。
真菌>グラム陰性桿菌>グラム陽性菌に順に優れた抗菌力を示します。
.*・".*・" .*・".*・" .*・".*・"
<精油の抗菌機序>
菌体の外部から作用して、菌体の表面蛋白(外膜)を凝固または変性させることによって、
菌を溶解または破壊させる。
外膜が精油に抵抗性を示す場合でも、外膜に開いているポーリン孔などの微小な穴から
菌体内部に侵入し、菌体内から蛋白や菌の生存に不可欠な酵素類を凝固または変性
させて菌を溶解または破壊する。
化学療法剤は、菌体を形成するために不可決な要素の構築に寄与する酵素などを阻害して
作用を示す。
そのため抗菌作用を示すまで時間がかかる。
精油は菌のたんぱく質に触れた時点で作用を示すため即効性がある。
菌の蛋白質自身に作用するため、耐性を得るには蛋白質自身の構造を大きく変化させなけ
ればならない。
自然にはこの様な大きな変化は起こりにくいので、精油は化学療法剤のように簡単に
耐性化することはない。
<ティートリーの抗菌力>
ティートリーの抗菌力は化学療法剤に比べると、極端に弱い。
力価で考えると1/800前後になる。
たとえ飲用しても、体内への吸収性には劣る。
精油は水と混じり難いため、水中に存在する菌を死滅させるには長時間(6~12時間)を要する。
このことから、患部に直接暴露するような
・創部の消毒
・口腔内洗浄
・膣洗浄
・皮膚などの清潔
・うがい
などに限られる。
<総括>
ティートリーは多くの細菌、酵母様真菌に抗菌力を示す。
作用機序は化学療法剤というよりは消毒薬に類似している。
ティートリーは、上皮や粘膜上の菌には効果あり、粘膜(粘液)中の菌もある程度は抑制する。
このことから、感染症の治療として使うよりは、消毒薬としての使用に限られる。
現時点では耐性菌は出現していないが、多用されるようになれば耐性菌が出現してくる
可能性もあり慎重に使用する必要がある。
.*・".*・" .*・".*・" .*・".*・"
==============
編集後記
==============☆
手でこねて作れる石鹸素材があったので、これで石鹸を作ってみました。
カモミールのハーブウォーターで練って、そこへティートリーとラベンダーの精油をくわえてみました。
蜂蜜を加えてもよいと書いてあったので少々蜂蜜もくわえてみました。
ハート型に整形して乾かすこと4~5日で完成です。
なかなか使い心地もよく、生石鹸が流行するのも当然のことと納得しました。
今度は、ハンガリーの王妃が見る見る若返ったというローズマリーのフローラルウォーターで
洗顔石鹸を作ってみようかと考えています。