産後のマタニティブルーについてお話してみようと思います。
ときどき経験するのですが、出産後に自分がしんどいのに赤ちゃんの世話などできないといわれたり、突然涙ぐんだりすることがあります。
時には、訴えがオーバーで訴えに見合う身体所見がないこともあります。
どちらにしても、私たち医師や看護師がてこずることがある病気です
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診療日誌:マタニティブルー
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昔から「産後の肥立ちが悪い」という表現があるように、出産後の女性に精神の障害が起こることがあるのは周知の事実です。
出産後の精神疾患にはマタニティーブルーズ、産後うつ病、産後精神病の3つの病気があります。
◆マタニティーブルー
出産直後から2週間頃までに出現する一過性の気分と体調の障害です。
主な症状は涙もろさと抑うつで、その他に不安、緊張、集中困難、困惑、不眠などの神経症状とともに、
疲労、頭痛、食欲不振など体の不調も見られます。
けれどもマタニティーブルーズの症状は持続が短く自然に軽快するので、治療の必要はないと言われて
います。
◆産後うつ病
出産後数週から数ヶ月以内に出現します。出産後一ヶ月頃に発症のピークがあるともいわれます。
症状は、抑うつな気分、不眠、集中力の低下、食欲不振と体重減少、不安とパニック発作、罪の意識、
自分は無価値だと考えたり、自殺願望、赤ん坊を傷つけるのではないかという不安を感じることがあります。
母親にうつ病があると、赤ちゃんとの愛着が育ちにくく、産後うつ病の母親に育てられた赤ちゃんは
認知能力に欠けるという報告もあります。
母子関係に重大な影響を及ぼすことがある病気です。
◆産後精神病
産後二週間以内の早い時期に、急激に症状が出ることが多い病気です。
不眠や焦燥を訴えた後に、幻覚、妄想、精神病症状が急に出現します。
1000回の出産に1人の人にに発症します。
ちゃんと治療をすれば数ヶ月で軽快することが多い病気です。
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今日は上記疾患のうちのマタニティブルーのケースについて、お話しようと、思います。
出産後3日目に"朝起きたら頭が痛い、おなかが痛い"と泣いていると看護師が困り果てています。
私が訪室しても、同様に「お腹が痛い、頭が痛い、お乳が出ない」と繰り返して涙ぐみます。
「それでは気分転換にマッサージでもしましょうか」
と提案すると、少し微笑んでしてほしいとおっしゃいます。
そこで、どこをマッサージしてほしいか尋ねると、足がむくんでるので足のマッサージを希望されました。
好きな匂いを調べると、オレンジスィートがフルーティーな匂いと気にいったので、オレンジスィートにむくみをとるジュニパーとサイプレスでオイルを作り脚のマッサージを行いました。
このとき経過を客観的に判断するためにマタニティブルーズの自己質問票を使用しました。
(どのようなものか知りたければ→こちら)
3日目には12点と得点は高かったですが、4日目には6点、5日目には5点 6日目には3点に減少しやっと
笑顔で授乳できるようになりました。
7日目はまだ3点でしたが母子同室できるようになり、そして8日目にやっと1点になり、質問票を"いつまで
するの?"といえるまでになりました。
その後は元気に過ごしておられ、産後うつ病を発症したら困るなと思いましたが、大丈夫でした。
マタニティブルーは治療の必要はないといわれますが、時には思いがけず重症なケースもあります。
そんな時にはアロマセラピーは非常に有用でした。
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編集後記
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以前出産後にマタニティブルーの症状を示した患者様が2人目を出産されました。
今度はどうかしらと心配していましたが、"母は強し"というべきか、今度はぜんぜん大丈夫元気です。
華奢な体つきで、見ているとはらはらするくらいスマートな方ですが、出産後は、赤ちゃんを片手で抱っこして診察に来ておられました。
子どもができると母は強くなります。
ご主人も温和で彼女を包み込んでくれるような感じのご主人だとお目にかかったスタッフが言っていました。
やさしいご主人の援助の下に彼女は強い母に変身しました。